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最小リスクポートフォリオ
※以前、ポートフォリオについて書きましたが、その時はシステムトレードと
アセットアロケーションの組み合わせについてのものでした。
今回は単一のシステムを複数の銘柄に分散投資するポートフォリオについて
考えてみたい。
オリジナルのシステムを構築したことがある方ならわかると思うが、新しい
システムを構築し実運用レベルまで磨き上げるには、かなりの時間と労力を要する。
また、せっかく苦労して完成させたシステムも検証期間や売買回数が少ない
場合には、その信頼性は低くなってしまうだろう。
特にトレンドフォロー系のシステムの場合、その性質上、ポジション日数が多く
なるため、どうしても売買回数は少なくなってしまう傾向にある。
◇オリジナルのシステムを構築する時によくある問題点
1.時間がかかる。
2.信頼性が低くなってしまう。
上記ふたつの問題点を解消するのに有効な方法として、単一システムを複数
の銘柄に分散投資するポートフォリオにたどり着くわけである。
さて、今回の検証で使うシステムについてであるが、高値・安値のブレイクアウト
を基にいくつかのルールを組み合わせて作ったものを使用しようと思う。
中・長期のトレンドフォロー系のシステムである。
検証期間 2005/5/25 ~ 2008/8/15
検証銘柄 USD/JPN , EUR/JPN , GBP/JPN , AUD/JPN , NZD/JPN ,
CAD/JPN , CHF/JPN , 金 , 白金 , 日経225
1.それぞれの銘柄を初期資金100万円で計算し資産累積を算出する。
この時点でプロフィットファクターが1を切るもの、およびそれに近いもの、
もしくは途中で売買できなくなってしまったものを省く。
2.残った銘柄について、日付を合わせて並び直し、収益率を算出する。
日付を合わせて並び直す時は、LOOKUP関数を使用するといい。
資産曲線 = LOOKUP( A3 、 検証シートの日付、 検証シートの資産曲線)
※USD/JPN 2005/5/25 分
収益率 = ( B4/B3-1 )
※USD/JPN 2005/5/26 分
3.リターンとリスクを算出する
2で並び直した資産曲線を利用して、それぞれの銘柄のリターンとリスクを計算します。
リターン = RATE((入力シート!$A$1181-入力シート!$A$3)/365,0,-入力シート!B$3,入力シート!B$1181)
RATE( ( 最終投資日 - 開始投資日) ÷ 365 、0 、-初期資金 、 最終資金 )
リスク = STDEV(入力シート!C4:C1181)*SQRT(365)
STDEV( 収益率全体 ) × SQRT( 365 )
4.相関係数を計算する
2で求めた収益率を利用して、それぞれの銘柄の相関係数を計算する
相関係数(C11) = CORREL(入力シート!$C$4:$C$1181,入力シート!E$4:E$1181)
CORREL( USD/JPNの収益率全体 , AUD/JPNの収益率全体 )
5.分散共分散を計算する
仮に設定した投資比率、相関係数とリスクを利用して分散共分散を算出する
分散共分散(C18) = C11*C7*B7*B5*C5
USDとAUDの相関係数 × AUDのリスク × USDのリスク × USDの投資比率 ×AUDの投資比率
6.全体リターンと全体リスクを計算する
全体リターン = B5*B6+C5*C6+D5*D6+E5*E6
それぞれのリターンと投資比率の掛け算を足し算したもの
全体リスク = POWER(SUM(B18:E21),1/2)
分散共分散の数値をすべて足し算し、平方根したもの
7.最小投資比率を計算する
エクセルの分析機能ソルバーを利用して最小値を求めます。
データの分析にソルバーの項目がない方は、エクセルのオプションのアドインから
ソルバーのアドインをインストールしてください。
ソルバーのパラメータ値設定は下のとおり
目的セル $B$2
変化させるセル $B$5:$E$5
制約条件 $F$5 = $F$4
実行ボタンを押すと全体リスクが最小値の投資比率が計算される
今回の最小リスクポートフォリオは、
USD/JPN 28%、AUD/JPN 17%、Gold 38%、CAD/JPN 17%
となった。
ちなみに全資産を1000万円として投資した時の資産曲線は下のようになる。
今回の検証については、数値だけ見るとリスクをだいぶ抑えることができたと思う。
ただ、少しFXに片寄ってしまったことから期待するほど、なめらかな資産曲線には
ならなかった。
当然だが、もっと多くの銘柄に対して検証していけば、よりなめらかな資産曲線と
なるはずである。
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